ウガンダで実施している親子支援事業「SHINEプログラム」の5期目となる、SHINE5がスタートしました。
SHINEは、HIV陽性者家庭が農業を通じて家族の栄養状態を改善し、余剰作物の販売によって生計向上を目指すプログラムです。
農業や栄養について学び、グループで農地を借りて野菜を育てます。収穫した野菜はまず自分たちや家族で食べ、余った分を販売することで、少しずつ暮らしを支える収入につなげていきます。
今回SHINE5に参加するのは、20名のマザーたちです。
2月には活動のスタートにあわせて、農地や水タンクの設置場所の確認、オリエンテーション、農業研修、農具の配布などを行いました。
最初に行ったオリエンテーションでは、参加者のみなさんに、「SHINEに参加した先に、どんな暮らしを実現したいですか?」と問いかけました。
紙とペンを手に、それぞれがこれからについて考えます。
「子どもの学費や学用品を、心配せずに払えるようになりたい」
「土地や家を持ちたい」
「ヤギやブタ、牛などの家畜を飼いたい」
そんな声が次々と聞こえてきました。
さらに、「養鶏を始めたい」「小さなお店を開きたい」と、農業で得た収入をきっかけに、新しい仕事へ挑戦したいという声もありました。
今の暮らしを少しよくするだけではなく、その先の未来まで思い描いているマザーたち。
一人ひとりの「こうなりたい」という思いを聞くことから、SHINE5は始まりました。

オリエンテーションの様子
夢を考えたあとは、4つのグループに分かれて、今の暮らしの中で困っていることについても話し合いました。
農業をしたくても十分な土地がないこと。
安定した仕事がないこと。
子どもの学費を支払うことが難しいこと。
家族が十分な食事をとれないこと。
必要なときに病院や薬局へ行きたくても、交通費を用意することが難しいこと。
グループごとに話し合い、代表者がみんなの前で発表しました。
そして次に考えたのが、「この状況を変えていくために、自分たちには何ができるだろう?」ということです。
「野菜を売る場所を探す」
「近所だけではなく、町まで販路を広げる」
「野菜の卸売りにも挑戦する」
など、少しずつ具体的なアイデアが生まれていきました。
収入を得ることだけではなく、そのお金を貯めたり、使った金額を記録したりすることも、これから暮らしを安定させていくために大切です。
SHINEでは、何かを一方的に届けるのではなく、参加するマザーたち自身が考え、学び、仲間と支え合いながら、暮らしをよりよくしていく力を育てていくことを大切にしています。
オリエンテーションの翌日からは、さっそく農業研修が始まりました。
講師を務めるのは、農業オフィサーのジョンソンさんです。
1日目は、まず農業の基本を学ぶ座学から。
よい土壌とはどのようなものか。
雨などで土が流れてしまう「土壌侵食」をどう防ぐのか。
堆肥にはどのような役割があるのか。
地域で育てることのできる野菜にはどのようなものがあるのか。
一つひとつ、これからの野菜づくりの土台となる知識を学んでいきます。
参加者のみなさんからも、「堆肥は具体的にどう使えばいい?」「化学肥料とは何が違うの?」と、さまざまな質問があがりました。

研修の様子
そして2日目は、畑での実地研修です。
畝のつくり方、種の植え方、苗床から畑への植え替え、土の乾燥を防ぐマルチングなどを、実際に手を動かしながら学びました。

実地研修の様子
鍬を持ち、みんなで土に触れながら、一つずつ実践していきます。
座学で学んだことが、少しずつ「自分たちでできること」に変わっていく時間です。
研修と並行して、これからSHINE5のメンバーが農業を続けていくための準備も進めました。20名のメンバーそれぞれに、鍬や鉈、じょうろなどの農具を配布。

農具配布後の集合写真
さらに、雨水を貯めて農業に活用するための水タンクを2台設置しました。
水タンクの設置場所を確認するため、現地パートナー団体カユンガのジョイさんたちと一緒に農地の周辺を歩きました。
ジョイさんの家から歩くこと約1時間。
道中では、これまでSHINEに参加したメンバーの家や水タンク、畑にも立ち寄りました。
SHINE1のメンバー、SHINE2のメンバー、そしてSHINE4の畑。
それぞれの場所で、これまで参加してきたマザーたちの暮らしや活動が続いています。
そして、その歩みにつながるように、新しくSHINE5の活動が始まります。
SHINEをともにつくってきたカユンガのみなさんが、これまでの経験を生かしながら準備を進めてくれる姿も、とても心強く感じました。
オリエンテーションで話していた
「子どもたちの教育を支えたい」
「土地や家を持ちたい」
「家畜を飼いたい」
「新しい仕事を始めたい」
という一人ひとりの夢。
もちろん、その実現までの道のりは簡単なものではありません。
これから実際に野菜を育てていけば、天候や病害虫、販売先など、さまざまな壁にぶつかることもあると思います。
それでも、まずは知識を学び、自分たちで畑を耕し、野菜を育てていく。
収穫した野菜を家族で食べ、余った分を販売し、その収入を次の暮らしへとつなげていく。
そんな一歩一歩の積み重ねが、マザーたち自身と家族の未来につながっていきます。
そしてSHINEには、同じ地域でともに活動する仲間がいます。

ジョンソンさんとマザーたち
これまでSHINEに参加してきたマザーたちがそうであったように、SHINE5の20名も、これから互いに支え合い、学び合いながら歩んでいきます。
新しく始まったSHINE5。
20名のマザーたちが、畑からどんな未来を育てていくのか。
PLASも現地パートナー団体カユンガとともに、その歩みに寄り添っていきます。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
引き続き、SHINEプログラムの様子を見守っていただけますと幸いです。
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