ケニアで実施している親子支援事業「BLOOMプログラム」では、農業による経済的自立支援とグループカウンセリング支援を組み合わせ、保護者と子どもが前向きに将来を描けるよう、取り組んでいます。
農業の知識や技術を伝えるだけでなく、地域の人々が自らの力で暮らしを築き、子どもたちの未来につなげていけるよう後押ししています。
3月は、BLOOMプログラム1年目の学びを実践につなげる活動と、プログラム2年目に向けた準備を進めました。

1つのCBOを訪問した時の様子
既存の4つの住民によって運営される地域団体(CBO)では、農業専門家による畑の様子を確認しました。大雨の季節を前に、それぞれの畑の状況に合わせて害虫対策や土づくり、植え付け、収穫方法などを確認し、一人ひとりがよりよい栽培方法を実践できるよう助言を行いました。
また、農業研修ではこれまでの学びを振り返り、参加者自身が病害虫を適切に防ぐ方法や収穫方法を実演しました。学んだ知識を「教わる」だけでなく、「実践し、人に伝えられる力」へと変えている様子が見られました。
栄養についての活動では、家庭訪問を通じて状況を確認しました。地域で手に入る食材を活かしながら、「量を食べること」だけではなく、「栄養のバランスを考えた食事」へと意識が変わり始めています。家庭全体で健康について話し合い、日々の食事を見直す様子も見られました。
さらに、2年目の活動に向けて、新たに参加する4つの地域団体(CBO)と、子どもたちへのカウンセリングを行う学校の選定も進めました。地域の人々と協力しながら、より多くの家庭や子どもたちへ活動を届ける準備が着実に進んでいます。

学校でのカウンセリングの様子
こうした取り組みの中で、一人ひとりが学びを暮らしの中で生かし始めています。
その一人が、エヴァリンさんです。
エヴァリンさんは45歳。6人の子どもと1人の孫を支える母親です。夫を亡くした後は、小規模農業で野菜を育て、市場で販売しながら家族の暮らしを支えてきました。しかし、収穫量や収入は天候に左右され、子どもたちの学費や生活費を安定して確保することは簡単ではありませんでした。
BLOOMプログラムに参加したエヴァリンさんは、7回のカウンセリングが終了し、農業技術や家計管理についても学びました。

エヴァリンさん
学んだことを少しずつ暮らしに取り入れたことで、農業の方法だけでなく、収入の管理や将来への考え方にも変化が生まれました。現在では、子どもたちの学費や生活必需品を以前より安定して準備できるようになり、「これからも前に進んでいける」という自信も育まれています。
エヴァリンさんの変化は、農業技術だけで生まれたものではありません。農業研修、家計管理、カウンセリングを組み合わせた学びが、暮らしをより良くするために、自ら考え行動する力につながっています。
BLOOMプログラムが目指しているのは、一時的な支援ではなく、地域の人々が自らの力で未来を切り拓いていける環境を育むことです。
農業の技術を身につけること、子どもたちが学び続けられる環境を整えること、そして保護者が前向きに将来を考えられるようになること。その一つひとつの積み重ねが、家族や地域の変化につながっていきます。
