こんにちは!PLASインターンの水谷です。
PLASでは、子どもたちが教育を受けられ、子どもと保護者が前向きな将来を計画できるように親子支援事業を実施しています。
今年の7月から、養鶏による経済的自立と相談・カウンセリング支援を行うHOPEプログラム2期をケニア共和国ホマベイ郡ビタ準群で開始しました。
HOPEプログラム1期は西ゲンべ地域のみで実施されましたが、今回は対象地域を3つに広げ、参加家庭の調査を行いました。調査は全40家庭に実施しました。
これらの家庭のうち、38家庭の保護者は職を持たず、安定しない収入で生活をしています。また60%以上の家庭が、1人の稼ぎ手に対して6人以上の家族を養っており、調査を行った家庭の経済状況が厳しいことが明らかになりました。
このような背景を持つ方々の中から、一人ひとりにお話を伺い、HOPEプログラム2期の対象となる20家庭を決定しました。
モニカさんと子どもたち
プログラムが開始したからといって、すぐに各家庭が養鶏に取り組むのではなく、7か月かけて保護者と子どもたちにカウンセリングを行います。
私たちが目指すのは、子どもたちが学校に通いつづけることができるようになり、前向きに人生を選択できるようになることです。そのためには、保護者と子どもの将来への不安を解消し子どもが安心して育つ環境を整えることが必要です。
プログラムに参加する保護者の多くは、小学校を中退しており、教育の大切さや進学するための手続きを知らないという人も多くいます。子どもたちも、留年や中退を経験したり、ロールモデルとなる大人たちに出会う機会も少ないため、将来の夢や目標を立てることができないでいます。
そこで、カウンセリングでは、保護者が子どもとの良好な関係を築く方法を学び、子どもの学習やキャリアを支援できるようにサポートします。このプロセスを通じて、保護者たちの教育やキャリアに対する意識が高まり、その結果、経済的自立に向けたモチベーションも向上し、より効果的な生計向上が期待できるようになります。
レバレッジポイント
子どもたちも、将来の具体的な計画を立てたり、小さな成功体験や他者からの励ましを得ることで、自己効力感を高めることができるようになります。そうすることで、今後の人生で困難に直面したときに、「どうせ、自分はできない。」と投げ出すのではなく、解決に向けて、立ち向かっていくことができるようになります。
実際に、9月から保護者と子どもたちへのカウンセリングを実施しています。子どもたちへは、自己理解を深めるセッションを行い、自分の好きな人や、将来の夢、人生について考えるカウンセリングを行っています。
子どもたちへのカウンセリングの様子
保護者へは、高等教育説明会を実施しました。説明会では進学することの重要性を中等教育・職業訓練校の先生から直接聞くことができ、さらに、学費や、地域の各学校への入学に必要な点数、学校選びのポイントについても、細かいアドバイスを受けることができました。
高等教育説明会の様子
保護者が教育に関する知識を十分に持ち、適切なアドバイスができなければ、子どもたちは進むべき方向性を見失ってしまうため、保護者へのカウンセリングや説明会も大切です。これまでの個別カウンセリングの成果もあり、なんと99%の保護者が説明会に参加をしてくれました。
プログラムに参加するヒラリーくんは、5歳の時に父親が亡くなり、保護者となったおばあちゃんとのコミュニケーションが長い間上手くいっていませんでした。
しかしカウンセリングのおかげで、おばあちゃんは年齢や階級に関係なく、すべての子どもは平等であり、他の子どもより優れている子どもはいないという考え方を持つようになりました。その結果、2人の関係に変化が生じています。
最近、おばあちゃんがヒラリーくんの学校を訪れて、学習の進捗状況を確認し、必要なことを相談するようになりました。ヒラリーくん自身も夢を見つけ、その夢をかなえるべく、歩み始めています。
一番の願いは、家族の貧困という厳しい現実から抜け出すことです。パイロットになって世界中を旅し、家族に希望をもたらす人になりたいという夢があります。私の祖母も病気と闘っていますが、同じように食費や学費など基本的な生活費を稼ぐのに苦労しています。カウンセリングを通して、私は読書が私の家族の貧困から抜け出す唯一の方法であることに気づきました。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
引き続き、HOPEプログラムの様子を見守っていただけますと幸いです。
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