PLASは2023年6月から新しく、SRHR事業を開始しました。
今回は、11月8日に行われたSRHR事業のオリエンテーションの様子をご紹介します。
SRHRとはSexual and Reproductive Health and Right(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)の頭文字をとったもので、性と生殖に関する健康と権利と日本語では訳されます。
SRHRは、誰もが性や生殖に関する権利をもち、その権利が尊重されるべきであるという概念です。
ケニアの15-19歳の少女の5人に1人が妊娠しています。事業地のホマベイ郡では、10代の妊娠率は33%とケニアで二番目の高さです。
低年齢での妊娠・出産は教育機会を喪失させ、職業選択を狭め、将来の貧困を招きます。
そのためPLASでは、子どもと若者が正しい妊娠・避妊の知識を得て、自己決定して行動できるようになること、またその結果、地域の医療施設で子どもや若者(18歳以下)の妊娠が20%減ることを目指す事業を開始しました。
オリエンテーションが行われた建物
本事業は、ホマベイ群のビタ準区で行われています。
現地パートナー団体ビアジェンコと共に、リプロダクティブ・ヘルス活動に関心のある15~17歳の子ども20名を選出し、正しい性の知識と自己決定について同世代に伝える「ピアエデュケーター」として育成します。
2年目以降は保護者や教師、学校や医療機関、行政など地域のステークホルダーを巻き込みながら、子どもたちを支える大人たちのサポート体制を構築します。
ピアエデュケーターは地域のさまざまな場所で啓発活動を展開し、3年間で720名の子ども・若者に知識を届けます。
当日のオリエンテーションでは、まず場の雰囲気を和ませ、緊張をほぐすために、みんなで一緒に歌を歌いました。
そのあと事業参加者の子どもたち、保護者たちが順番に自己紹介をしていきます。
途中、保護者から冗談が飛んで笑いが起こったりと、終始和やかな雰囲気でオリエンテーションが進んでいきました。
なごやかなオリエンテーションの様子
今回のオリエンテーションを皮切りに、SRHR事業の本格的なスタートとなるので、改めて事業の説明を保護者・子どもたちに伝えていきます。
プロジェクトコーディネーターのダンから、「10代における妊娠・出産は母子ともにリスクがあること」や「学校に通えなくなること、死産の危険性があること」、そして「この課題が自分たちの地域にあること」を説明しました。
そしてこの事業に参加することで「子どもたちの自己効力感を高めること」、「チームワークやリーダシップを育てること」、「子どもたちが問題に触れる機会を与えること」が効果として設定されていることを伝えました。
SRHR事業は、ピアエデュケーターの保護者も対象としています。
それは、保護者の同意や賛同を得てプロジェクトを続かせ、適切な方法を団体と保護者、2つの別の立場から探ったり、注視するためといった理由もあります。
オリエンテーションの最後には保護者の1人の方が、「このような子どもたちを守るプロジェクトを開始してくれてありがとう」という思いを伝えてくれる場面もありました。
子どもたちも「まだどんなことをやっていくか分からないけどとても楽しみ!」と前向きな様子でした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをお申し込みいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。