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「誰が学費を払ってくれるの?」――子どもたちの問いから考える、ウガンダの性教育

「誰が学費を払ってくれるの?」――子どもたちの問いから考える、ウガンダの性教育
  • パートナー団体ギバー シルビア

「もし私が結婚生活をやめると決めたら、誰が私の面倒を見てくれて、学費を払ってくれるの?」

ウガンダで性に関する知識を仲間に伝える活動をしているピアエデュケーターのキラボさん(仮名)は、近所に暮らす女の子から、こう尋ねられました。

彼女は幼いうちに結婚していました。男性が学費を払うと約束したことから、両親が結婚を勧めたといいます。本人は、学校にも通えているため、今の生活に満足していると話していました。

キラボさんは、この問いへの答えを見つけることができませんでした。自分の助言で状況を変えられなかったことを気にかけながらも、これからも周囲の子どもたちを支えていきたいと話しています。

性に関する知識を得ることと、その知識をもとに自分の人生を選べること。その間には、学費や暮らし、家族との関係も関わっています。

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仲間に伝えるために、まず自分たちが学ぶ

ギバーとPLASは、ウガンダ・ムコノ県で「SPEAKSプログラム」を実施しています。望まない妊娠を防ぎ、子どもや若者が自分の身体と未来について考え、選べるようになることを目指す活動です。

その活動の中心となるのが「ピアエデュケーター」です。性に関する健康や権利について研修で学び、その知識を学校や地域の仲間へ伝える子どもや若者たちです。

2026年4月には、ピアエデュケーターの子どもたちが妊娠やHIV/エイズ、性感染症などについて、どのような知識を持っているかを確認しました。その後、3校から集まったピアエデュケーターへの研修を行いました。5月には、2校から8名の新たなピアエデュケーターに7日間の研修を行いました。

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SRHRのアドボカシーにおけるチームワークと戦略についての研修を実施しているところ

研修で話し合ったのは、知識だけではありません。自分たちの学校や地域で起きていることにも目を向けました。

ピアエデュケーターからは、10代での妊娠や性暴力について、身近で見聞きした事例が共有されました。学校に通っていた女の子が、妊娠をきっかけに退学したという話もありました。

仲間へ伝えるピアエデュケーター自身も、地域の課題を知る人であり、その中で日々を暮らす当事者でもあります。だからこそ、自分たちが学んだことを誰に、どう伝えるかを考えることにも意味があります。

5月の研修最終日には、参加者が2つのグループに分かれ、活動計画をつくりました。一方は10代の妊娠予防、もう一方はHIV/エイズや性感染症の予防をテーマに選び、学校や地域で取り組む活動を考えました。

ピアエデュケーターが伝え、学校の仲間が問いかける

研修を終えたピアエデュケーターたちは、6月から学校の仲間に向けて学習会を行いました。身体の変化やHIV/エイズ・性感染症など、学んだことを自分たちの言葉で伝える活動です。

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ピアエデュケーターによる学習会のようす

7月に行った小学校での学習会では、参加した子どもから「出産後も学校に戻れる?」という質問が出ました。

この問いは、妊娠や出産が身体に起こる変化であると同時に、その後の学校生活にも関わっていることを意味しています。妊娠について知るだけではなく、学びを続けられるのか、その先の暮らしはどうなるのか。性教育の場で、子どもたちは生活や将来に関わる問いも投げかけていました。

別の学校では、参加者から生理痛(月経痛)や月経中の妊娠についての質問もありました。ピアエデュケーターが話すことをきっかけに、子どもたちが疑問を口にし、スタッフも一緒に考える。学習会は、知識を伝えるとともに、子どもたちが何を知りたいのかを私たちが知る機会にもなっています。

一方、伝える側のピアエデュケーターにとっては、仲間の反応を受け取る経験にもなりました。7月に学習会を行ったピースさん(仮名)は、こう話しています。

「ほかの生徒たちに啓発をしていた時、私はとても嬉しかったです。私が話していることをみんなが理解してくれていて、リアクションをしてくれるからです。」


ピースさんが嬉しかった理由として挙げたのは、相手が理解し、会話に応じてくれたことでした。研修で学んだ知識を話すだけでなく、目の前の仲間とやり取りする。その言葉からは、自分が学んだことを誰かに届ける喜びが伝わってきます。

また、学習会に参加した子どもたちからは「次のセッションはいつ?」という声も上がりました。この声を、私たちは次の学びへつなげていきたいと思います。子どもたちから出た疑問を受け止めながら、ピアエデュケーターとともに、身体や性について学び、話せる機会を重ねていきます。

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子どもが選べるようになるには、大人も関わる必要がある

冒頭でキラボさんに相談した女の子の結婚には、学費の問題と、両親が関わっていました。私たちはこの経験から、子どもに知識を伝えるとともに、子どもを取り巻く大人や生活にも目を向ける必要があると考えています。

SPEAKSプログラムでは、ピアエデュケーターの保護者との話し合いも進めています。5月には家庭を訪問し、7月には2つの地区で計16名の保護者が研修に参加しました。

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保護者向けの研修では、早すぎる結婚や、親子のコミュニケーション不足などが地域の課題として挙がりました。一部の保護者からは、「女の子は月経が始まったら結婚する準備ができている」という考え方があることも共有されました。

子どもが身体について学んでも、身近な大人がその意思を聞かず、将来を決めてしまえば、自分で選ぶことは難しくなります。保護者が何を考え、子どもとどのように話しているのかも、私たちが活動の中で向き合っていきたいことです。

ンプンゲ地区では、研修に参加した保護者が地域に情報を広めていくことになりました。また、保護者からは、地域の会議や学校行事でも、性に関する学びの機会をつくってほしいという声が寄せられました。

ピアエデュケーターが学校の仲間へ伝え、保護者も地域へ情報を広める。子どもと大人のそれぞれが、学びを周囲につなげようとしています。

子どもたちが、自分の身体と未来について考え、選べるようになるために。私たちギバーは、PLASや学校、保護者、地域の人たちとともに、子どもたちが安心して学び、相談できる環境づくりを進めながら、答えを見つけられなかった問いを、受け止めていきます。

ここまで読んでくださりありがとうございます。
引き続き、SPEAKSプログラムの様子を見守っていただけますと幸いです。 

※プライバシー保護のため、本文に登場する参加者の名前は仮名を使用しています。

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