こんにちは!海外事業プログラム・オフィサーの牧野です。
日頃よりPLASの活動をともに支えてくださっている皆さま、関心を寄せてくださっている皆さまに、心より感謝申し上げます。
私は、ケニアとウガンダの現地パートナー団体と共に、プログラムの運営を担当しています。
この仕事をしていると、日頃からいろいろなことに「時間がかかるなぁ」と感じますし、皆さんも「アフリカでプログラムを運営するって大変なことがあるのだろうなぁ」と、なんとなくそんなイメージをお持ちかもしれません。
今回は、その「なぜ時間がかかるのか」について、私が日々の仕事の中で感じていることを書いてみたいと思います。
PLASは、取り残される子どもたちが前向きに生きられるよう、地域社会と共に課題解決に取り組んでいます。
でも、子どもを取り巻く環境を変えるには、子どもだけに働きかければよいわけではありません。
農業や養鶏で家庭の収入を少しずつ安定させること。保護者が子どもの教育について考えられるようになること。親子で話す時間が増えること。子ども自身が自信を持ち「自分にもこんな未来があるかもしれない」と思えること。学校に通い続ける意義を見出せるようになること。

カウンセリングのアクティビティを行う子どもたち
こうした変化が一朝一夕に起こるものではないことは、日本に暮らす私たちにも、なんとなく想像できることかと思います。でも、現地でプログラムを進めていると、実はその前段階にも、たくさんの「時間がかかる理由」があります。
先日、現地パートナー団体との定例会議でスタッフから、「明日、養鶏研修を実施するから、スタッフ2人で参加者12世帯を一軒ずつ訪問して、研修があることを伝えにいきました」と教えてもらいました。
ここで私は「あれ、電話で伝えてもいいのでは?」と思いました。プログラム参加者のほぼ全員が、連絡先の電話番号を申告していたためです。
でも、電話番号が分かっている=いつでも連絡が取れる、というわけではありません。
多くの人が、必要な時にだけ、通話やデータ通信の料金をチャージしています。チャージした残高がないと、自分から電話をかけたり、メッセージを送ったりすることができません。 そのため着信とメッセージの受信はできても、出られなかった電話へのかけ直しやメッセージの返信ができない場合もあります。そもそも自分の電話を持っていない人もいるため、直接会いに行ったり、会えなかったときは近所の人に伝言をお願いすることもあります。

パートナー団体がプログラム参加者の家庭を一軒一軒訪問し、状況の聞き取りを行っています
そして何より、日々の生活をやりくりすることで精一杯という環境の中、「来週、研修がありますよ」と言われても、来週の予定にまで気持ちと時間と労力を割くのは、決して簡単なことではありません。
だから、前日に家まで足を運び、「今度研修がありますよ」「ぜひ来てくださいね」と直接伝える。直接会って、なぜこの研修に参加することが大切なのかを伝えることで、プログラム参加者は「直接来て伝えるぐらいなのだから、大切な研修なのだろうな」と思ってくれる。
そうしてようやく研修に来てもらうことができ、専門家から養鶏や農業についての知識を届けることができます。
「12軒を訪問する」と文字にするとたった一行です。
でも、実際に家庭を訪ねる道は、日本のように舗装された道路ばかりではありません。雨が降れば道がぬかるんで通れなくなることもあります。予定していた日にすべての家庭を回れないこともあります。

バイクの馬力だけではあがらないような道の先にお家があることもあります
「研修を1回実施する」という一つの活動の裏側にも、実はこれだけの時間と労力がかかっています。
これは、私たちと現地パートナー団体とのやり取りも同じです。
活動地では頻繁に停電が起き、オフィスで電気が使えず、インターネットにつながらないことも多くあります。そんな中でも、スタッフたちはメールで状況を報告してくれています。オンライン会議でも、音声が途切れたり、急につながらなくなったりする中で、「今回は何がうまくいったのか」「次はどう改善していったらいいだろう」と、一緒に考えながらプログラムを進めています。

現地パートナー団体と打ち合わせを重ねて、次年度に活かせることを話し合います
日本で同じことをするのに比べれば、一つひとつのことに何倍もの時間や労力がかかっています。でも、こうした積み重ねを経たその先に、少しずつ変化が生まれています。
私の担当しているプログラムでも、親子で一緒に将来について話せるようになったり、数羽から始めた養鶏が、今では何倍にも増えて自分たちの力で育て続けられるようになったり、人前で話すことが苦手だった若者が、自信を持って同世代の前に立てるようになったりする姿を見てきました。
だからこそ、現地を持続的に支えることには、とても大きな意味があります。
たとえば、毎月1,000円というご支援も、現地ではさまざまな活動につながっています。1,000円あれば、約3人分の研修参加のための交通費や、約4人分の昼食代、1世帯分の種と苗の購入費としても活用することができます。
でも、「1,000円で〇〇が買えます」ということだけでは、継続して支えていただく意味のすべては表せません。

プログラム参加者を訪問し、鶏のエサになる水草の育成についてアドバイスをしています
その1,000円は、一度何かを届けて終わるためだけのお金ではなく、研修の前に家庭を訪問したり、会議で状況を確認したり、うまくいかなければもう一度話し合ったりする、そんな変化が生まれるまでの「時間」も支えています。
先ほどの「12軒の家庭を一軒ずつ訪問した」という話も、「養鶏研修を実施しました」という結果だけを見れば、その裏側にある出来事は見えません。でも、変化はこうした見えない時間の積み重ねから生まれています。
皆さまから継続的なご支援をいただくことは、舞台裏も含めて、プログラムの過程を支える大きな力となります。
私たちは決して「現地の人たちが大変だから支援しなきゃ」とか「かわいそうだから助けなければ」と思ってほしいわけではありません。
私たちも、それぞれの仕事や家事、自分や家族のことで精一杯で、遠く離れたケニアやウガンダの人たちにまで思いを馳せる余裕がないことも、当然あると思います。
だから私は、「PLASから届くレポートを読んで、普段のニュースでは知らないことを、ちょっと知ってみようかな」でも、「寄付金控除を受けられるからお得かな」でも、「ダイエット中だからおやつ代の代わりに」でも、支援の動機やきっかけや目的は、もっと気軽でいいと思っています。
そして、少しずつ現地のことを知っていく中で、「あの子はその後どうなったかな」「あの家庭の養鶏はうまくいっているかな」と、ふと思い出してもらえたら嬉しいです。
近所の子どもが、去年より少し背が伸びたことに気づいたり、前はできなかったことができるようになった姿を見て、なんとなく嬉しくなったりする。そんな感覚に近くなったら良いなと思っています。

SRHRセッションが終わった後の子どもたち。元気いっぱい!
プログラムに参加する子どもたちや保護者、そして現地のパートナー団体に起きる変化を、良いことも、うまくいかなかったことも含めて、温かく見守りながら、小さな変化や成長を一緒に喜ぶ。マンスリーサポーターの皆さんとは、そんな仲間でありたいです。
こんなふうに、時間をかけて、現地の皆さんやマンスリーサポーターの皆さんと一緒に変化をつくっていくことが、PLASらしい支援だと思っています。
だからこれからも、そんな現地の一歩一歩を、できるだけそのまま皆さんにお伝えしていくことが、私たちの役割だと思います。
この長い道のりを一緒に見守ってくださる仲間が、少しずつ増えていったら嬉しいです。
-----
PLASでは現在、PLASサポーター募集キャンペーンを実施しています。
PLASサポーターは、月1,000円からの毎月の寄付で、子どもたちや家族に生まれる変化を継続して支える仲間です。
一人ひとりの小さな変化を、未来につながる力にしていくために。
あなたも、子どもたちの「これから」を一緒につくるPLASサポーターになりませんか?
キャンペーンについて詳しくはこちらから

PLASサポーター
参加募集中
Support