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支援されているのは、本当に子どもたちだろうか。

支援されているのは、本当に子どもたちだろうか。
  • PLAS 門田瑠衣子

「アフリカの子どもたちを支援してください」

PLASでは、これまで何度もそう呼びかけてきました。

もちろん、子どもたちが置かれている状況を変えるためには、支援が必要です。

貧困や家庭を取り巻くさまざまな困難によって、学校に通い続けることが難しくなったり、望まない妊娠や暴力によって、思い描いていた未来を選べなくなったりする子どもたちがたくさんいます。

でも、20年間活動を続ける中で、私は「支援する人/される人」「寄付する人/受け取る人」という単純な構図だけでは、現地で起きていることを十分に表せないと感じるようになりました。

支援されているのは、本当に子どもたちだけなのでしょうか。

物静かだった子どもが、地域の若者を支える人になる

ケニアで、3年間にわたってピアエデュケーターとして活動してきたウィクリフさんという若者がいます。

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ピアエデュケーターとは、性教育について学び、同世代の子どもや若者へ正しい知識を伝えたり、相談に乗ったりする子どもや若者たちのことです。

ウィクリフさんは、活動に参加した当初は物静かな生徒でした。

研修やワークショップを重ねながら、HIVや性感染症の予防、避妊、性的同意、ジェンダーに基づく暴力などを学びました。同時に、人の話を聞くこと、相談に乗ること、人前で伝えることも身につけていきました。

現在は、新しく活動を始めたピアエデュケーターのメンター的な存在です。地域の若者が困っているときには話を聞き、必要に応じてHIV検査や保健医療サービスにつないでいます。

かつて物静かだったウィクリフさんは、いまでは自分が得た知識と経験を使い、同世代の若者を支える人になっているのです。

子どもたちは、学校の外でも動き始めている

こうした変化は、ウィクリフさんだけに起きているわけではありません。

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学校の中だけでなく、サッカー場や水汲み場、教会が終わった後の集まりで、性教育について伝えるようになった若者がいます。

30人以上の男子生徒を集め、「男らしさ」「女らしさ」という思い込みや、女の子が危険にさらされているときに男子は傍観するだけでいいのか、と話し合った若者もいます。

あるときは、子どもたちが行政関係者や教師、保護者など、大勢の大人を前に、自分たちの活動や地域の課題について堂々と発表しました。その姿を見た保護者からは、「自分の子どもに、こんな力があるとは思わなかった」という驚きの声が上がりました。

「支援される子ども」として見られていた子どもたちが、大人たちの前に立ち、地域に必要なことを伝えていたのです。

支援を受けた人が、次の誰かを支えていく

こうした変化は、性に関する教育事業だけで起きているわけではありません。

PLASでは、子どもと保護者へのカウンセリングとともに、保護者が農業や養鶏の技術を身につけ、家族の収入を安定させる親子支援にも取り組んでいます。

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収入を得られるようになれば、制服、学用品を用意し、子どもが学校に通い続けられる可能性が高まります。高校への進学も夢ではありません。

この親子支援事業では、活動に参加した保護者が、農業や養鶏のやり方を近所の人へ教えるようになったという話がたくさん届いています。

PLASから学んだ人が、今度は自分の知識を周囲へ伝える。その知識を受け取った人が実践し、さらに別の誰かへ伝えていく。

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子どもも保護者も、「支援を受け取るだけの人」ではないのだと、日々実感しています。彼らは自分の家族や友人を支え、地域に変化を広げる人でもあるのです。

社会を変えるのは、地域の人たち自身

以前、ケニアの村で、HIVの予防啓発を地域でどう進めるか、住民のみなさんと話し合ったことがありました。

そのとき、住民の方から「なぜPLASは、地域の人たちにお金を配る支援をしないのか」という意見が出ました。

私は、その問いに答えなければと思い、息を吸い込みました。ところが、私より先に、PLASの現地スタッフが答えてくれました。

「社会を変えるのは、この地域に暮らす人たち自身です。PLASは、地域の人たちが地域を変えていくための手助けをしているんです。お金を配って問題が解決するということでは人です。人々の行動が変わることで、その変化が地域に残り続けることが大切なのです。そういう支援をPLASは届けて、皆さんと一緒に地域を良くしていきます。」

現地スタッフは、自分の言葉でそう説明してくれました。

私は、とても感動しました。
PLASが大切にしてきた考え方が、私たち日本側だけのものではなく、現地スタッフ自身のものになっていたからです。

友人を助けたい。家族の暮らしを良くしたい。自分たちが暮らす地域を変えたい。そんな声をたくさんの住民や子どもたちから聞いてきました。

PLASが担っているのは、現地の人たちがもともと持っている「地域を変えたい」という思いを、知識や技術、経験によって行動につなげることなのだと思います。

変化には、時間がかかる

もちろん、研修を一度受ければ、すぐに誰もが人前で話せるようになったり、安定した収入を得られるようになったりするわけではありません。

最初は声が小さく、うまく説明できない子どももいます。農業や養鶏も、すぐに思いどおりの成果が出るとは限りません。

学んで、実際にやってみて、うまくいかなかった理由を考え、また挑戦する。その積み重ねによって、人は少しずつ自信と力を身につけていきます。

一人の子どもや保護者が、自分の未来を前向きに考え、周囲へ変化を広げられるようになるまでには、2年、3年という時間がかかります。

だからこそ、毎月の継続的なご寄付には、とても大きな意味があります。

一度何かを届けて終わるのではなく、子どもが学び、保護者が生活の基盤を整え、家族が自分たちの力で未来を選べるようになるまで、一緒に歩き続けることができるからです。

世界を良くしたいと思う人たちと

PLASサポーターにお申し込みいただくと、私のもとにもメールでお知らせが届きます。

そのメールを見るたびに、「世界には、遠く離れた世界の子どもたちや家族のために、ここまでしてくれる人がいるのだな」と思います。

毎日その問題について考えることも、現地へ行くこともできない。でも、自分にできる形で関わりたい。その気持ちが月々1,000円からの寄付として重なり、子どもたちや家族が変化していく時間を支えています。

寄付が、子どもたちを一方的に変えるのではありません。

子どもたちや保護者が、自分たちの力で未来を切り拓き、地域へ変化を広げていく。現地スタッフも、地域の人たちも、寄付をしてくださるみなさんも、それぞれの場所からその変化に関わっているのです。

支援する人と、支援される人。
その関係を完全に乗り越えることは、簡単ではありません。

それでも、誰かを「助けてもらう人」として固定するのではなく、一人ひとりを社会を変える力を持った仲間として見つめ続けたいと思います。

もし、この変化を一緒に支えたいと思っていただけたら、月々1,000円から、PLASサポーターとして仲間になっていただけたらうれしいです。

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