ケニア・ホマベイ郡で実施しているSRHR(性と生殖に関する健康と権利)プログラムでは、この3年間、学校・地域・医療施設と連携しながら、若者たちへの活動を続けてきました。
長期休暇中は、子どもたちが家庭や地域で過ごす時間が増える一方で、十分な情報や相談先がないまま、望まない妊娠や性感染症のリスクにさらされることも少なくありません。
そうした状況のなかで、若者たちは「ピアエデュケーター」として学び合いながら、自分たちの言葉で友人や地域へSRHRの知識を届けています。
学校では、思春期の心身の変化、性感染症予防、避妊、性的同意、ジェンダー平等、月経衛生などについて学ぶセッションを実施しました。
参加した生徒たちは、グループディスカッションやロールプレイを通して、自分自身や友人との関わり方について考えました。
また、先生や医療施設スタッフも活動に参加し、学校だけではなく、地域全体で若者を支える体制づくりも進んでいます。

ピアエデュケーターとセッションに参加した生徒たち
10月には、教育・医療・行政関係者を交えたステークホルダーミーティングも開催されました。
地域の課題や成功事例を共有しながら、
「地域の若者たちのために、自分たちにできることは何か」
を話し合う時間となりました。
カメラを向けると、変顔をしたり、友人同士で笑い合ったり。
まだあどけなさの残る彼ら・彼女たちですが、今は同世代の若者たちへ、性や健康について伝える大切な役割を担っています。
活動の中心にいるのは、地域の若者たちです。

あどけない表情を見せるピアエデュケーターたち
研修を受けたピアエデュケーターたちは、学校だけでなく、教会、水汲み場、サッカー場など、日常のさまざまな場所で友人たちとの対話を続けています。
ブライトンさんは、男子生徒たちを集めた対話の場を自ら企画しました。
「男の子も、10代の妊娠を減らすために役割がある」
そんな思いから始まったこの活動では、30人以上の男子生徒たちが、ジェンダー平等や責任ある行動について話し合いました。

ブライトンさんと集まった男子生徒たち
また、ベリルさんは、地域や教会で同世代へSRHRについて伝える活動を続けています。
その姿勢が評価され、地域の医療施設から「ユースチャンピオン」として声をかけられるようになりました。
若者たち自身が、「支援を受ける側」ではなく、「地域に変化をつくる存在」へと成長しています。
活動を通して、家庭の中にも少しずつ変化が生まれています。
ピアエデュケーターのロジャースさんは、以前は家でSRHRについて話すことはほとんどなかったといいます。

ロジャースさんとピアエデュケーターたち
しかし、活動を通して少しずつ自信を持てるようになり、今では家族とも自然に話せるようになりました。
「以前はタブーだった話題を、家族で話せるようになりました。」
ロジャースさんは現在、地域の若者たちへ情報を届けながら、自身の家庭でも変化を生み出しています。
プログラムでは、地域の6つの医療施設へ避妊具や緊急避妊薬などの物資も配布しました。医療施設スタッフとの対話も重ねながら、若者たちが安心して相談・利用できる環境づくりを進めています。
一方で、SRHRに関する偏見やタブー意識は、地域の中に依然として残っています。
それでも、学校、若者、医療施設、地域の大人たちが少しずつつながり始めています。
「話せなかったこと」を話せる空気が、地域の中で少しずつ育っています。

事業地の様子
次回お伝えする修了報告では、こうした活動が若者たちや地域にどのような変化をもたらしているのか、さらにお届けしていきます。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
引き続き、SRHRプログラムの様子を見守っていただけますと幸いです。