PLASが手掛けるプログラムの1つで、経済的自立と相談・カウンセリング支援を行っているFLOWER。
このプログラムはJICA草の根協力事業として行なっており、子どもと保護者の未来をつくるための相談・カウンセリングと、農業支援による経済的自立支援を行なっています。
今回のレポートでは、ケニアでFLOWERプログラムに協力している受益者、ユニスの農園をご紹介します。
農業によってユニスの家庭の生計は向上しており、その魅力的なストーリーをお伝えします。
ユニスの畑はよく整備されています。畑には現地の在来野菜のカウピー、2つのオスガ、バナナの木が2本、パッションフルーツ、クロトン、ローカルツリーなどが広がっています。
ユニス宅の周辺の土地は保水力が低く、水やりや野菜・フルーツの植え方に工夫が求められいます。
彼女は工夫を凝らし、この農園を生き生きとさせています。
畑を見てみると、成長中のオスガがいっぱい!2種類のオスガが、合計120本も植えられていました。
このオスガは一房10シルで売られます。今週は月曜日、水曜日に収穫し、さらに金曜日にも収穫すると言います。これにより1週間に約300シルほどの売上になると言います。
しかも、オスガから収穫した種も販売され、前回ではなんと200シルの収益を上げたのです。
スタッフはこう訊ねました:「オスガはいつ植えたの?」
ユニスは自信たっぷりに答えました:「オスガは5月に植えたの!2月の乾季でも元気に育ってるんだよ。」
ユニスの畑はまさに工夫と情熱が生み出したもの。ユニスの家族へ収益をもたらしています。
2種類のオスガ
オスガは120本も植えられているし、乾季でもすくすく育っています。
ユニスには4人の子どもがいます。
1人目: 大学のホテルマネジメント&ケータリングの学科の進学予定。
2人目: FLOWERプログラムのカウンセリング対象者であるSecondary Schoolに通うスティーブ君。
3人目: Primary Schoolに進学中。
4人目: 新生児のクリス君。
子どもたちを育てていくには、教育費など様々な費用がかかります。
そこでスタッフはユニスにこのような質問をしました。
スタッフ:「お金はある?」
ユニス:「うん」
とユニスは微笑みました。
集合写真(真ん中がユニス)
スティーブ君はかつて医者になりたいという夢を抱いていましたが、現実の医療現場で多くの人々が亡くなるのを目の当たりにし、新たな道を志すようになりました。今はエンジニアになることが夢だと言います。
スティーブ君はFLOWERプログラムの協力を受けてSecondary Schoolに進学し、教育費用と生活必需品は、プログラムの農業活動から得た収益によって賄われています。
1学期はB+という優れた成績を収めることができました。母親のユニスは彼をしっかりと支えています。
FLOWERプログラムの支援が、彼らの未来を明るく照らしていくことができたら、こんなにうれしいことはありません。
以前、ユニスはミルク販売でなんとか生計を立てていましたが、現在は中断しています。
スタッフ:「畑とミルクはどっちがいい?」
ユニス:「毎日売れるからミルクを売る方がよい。でも、仕入れ値と交通費が高くて利益がなくなってしまったの。それでミルク販売はやめたんです。」
FLOWERプログラムを通して、ユニスは家計管理とビジネススキルを身につけ、貯金のスキルも磨きました。
彼女は貯金を積み立て、子どもたちの教育の準備を整えました。
それだけでなく、彼女は「expense(支出)」という言葉の意味も学び、ミルク販売においてどれだけお金を使っていたかに気付いたのです。
また、ユニスは毎週、グループ貯蓄に積極的に参加しています。
彼女は農業から得た収益の一部を毎回50シル以上貯蓄することができています。