抗HIV薬の普及により、かつては死の病とも言われたHIV/エイズは、適切な治療を続けることでHIV陽性であっても健康に暮らしていくことができるようになりました。HIV/エイズは、死の病ではなくなりました。
しかし、ウガンダのわたしたちの活動地域では「適切な治療」を「続ける」ことは簡単ではありません。HIV/エイズの基本的な知識を身に付ける機会がないままに、HIV治療薬の副作用に対する恐怖感や、治療に必要な規則正しく栄養ある食事をとることの難しさから、定期的な通院や投薬をやめてしまう患者さんがたくさんいます。
そこでPLASでは2018年より、PLASはウガンダでのパートナー団体マルチパーパスと共に、「HIV陽性者治療環境改善の事業(通称:PATH+)」に取り組んでいます。
ヘルスセンターで健康教育研修
Promotion of Adherence to Therapy of HIV and Positive Lifestyle (HIV陽性者のアドヒアランス向上支援 )
HIV/エイズと生きる人たちを支える「アドヒアランス事業」として、
①医療者のスキルアップ
②患者の農業活動
③患者家族による治療支援
3つのアプローチで取り組んでいます。
昨年行われた研修の様子
ウガンダから嬉しい写真報告が届きました!
ウガンダでは徐々にロックダウンが緩和され、集会等を開くことができるようになりました。そこで、ずっと後ろ倒しにしていた農業研修を、ついに実施することができました!
最近雨が2日に1回降っているということで、農業研修にはうってつけの環境です。みんな、はりきって農業研修に参加してくれました。
食糧が高騰して、食糧不足が深刻化する中で、自分たちで食糧を確保することが急務になっています。
治療と農業というのは結びつかないかもしれませんが、実は治療環境の改善(アドヒアランス)を低下させる原因の一つに、食糧不足があります。十分な食事を摂れず、空腹時に治療薬を服用すると、気分が悪くなってしまうことが報告されているのです。
現地の人々の多くは自給自足に近い生活をしていますが、農業は天候に左右される他、農業技術が足らず、うまく作物を収穫できないことも多々あります。事業では持続可能性の点から、プロジェクト参加者の農業技術を向上し、自らの力で食糧確保できるスキルを獲得します。
「アドヒアランス(adherence)」とは、「患者が治療方針の決定に賛同し積極的に治療を受ける」ことを意味します。
同じ゙様な意味を持つ単語として「コンプライアンス(compliance)」がありますがこれは「患者が医療従事者の指示通り治療を受ける」ことを意味しています。
アドヒアランスとコンプライアンスのど゙ちらも「治療を受ける」という行為においては同じですが、コンプライアンスは医療従事者から患者への一方的な指導関係であるのに対し、アドヒアランスは医療従事者と患者の相互理解を基にした関係です。
「治療に向きあう環境を改善して、いわれのない差別に苦しむ患者さんやその家族が、主体的に治療にのぞみ、未来に希望を抱けるようにしたいー」PLASがアドヒアランス事業をはじめた背景には、こうした思いがありました。
そして、治療を続けていくために十分な、栄養のある食事を継続してとれる仕組みをつくるのが、前述の農業の取組なのです。
ウガンダにて、PATH+事業の受益者140世帯(およそ840名)への2回目の食糧と石鹸の配布をすることができました!
全世帯分の物資購入し、配布を完了しています。