6月から、ウガンダのムコノ県でGIBEH(ギバー)との新プログラム「RISE」がスタートしました。
ムコノ県はウガンダ全土の中でも貧富の差が大きい地域です。この地域の貧困家庭の保護者の多くは、安定した収入を得るためのスキルを身に付けることができずにいます。子どもたちも「教育費を払って」とお願いするよりも先に、自分の将来を諦めてしまいます。
そのためRISEプログラムでは、前向きに生きられる社会をつくるため、この地域の貧困家庭に2つの支援を届けます。1つは、⼦どもの進学等を含めた将来の計画を⽴てるとともに、親⼦間のコミュニケーションを改善を目指すライフプランニング支援です。2つ目は、養鶏を通して、⼦どもたちの教育費を支払えるようになるための生計向上支援です。
プログラムの最初は子どもたちが安心して育つ環境を整えるために、地域にカウンセラーを育成することから始めます。RISEプログラムも7月8日~12日の5日間かけて「オンラインカウンセラー育成研修」を行いました。
研修の参加者は、ギバースタッフの3人と、RISEにカウンセラーとして参加する3人、そしてPLASからは海外事業担当の藤原とケニア事務所のトビアスの計8人です。
研修は日本事務局でも会議前に行うチェックインからスタートしました。会議に参加するメンバーがひとりずつ近況の報告やテーマを決めて順番に話していきます。
研修という目的はありますが、内容を理解するだけでなくチームビルディングとパートナーシップの強化の機会にもなりました。レクチャー形式でなくディスカッションメインで進めていったことやチェックインなどでお互いを知る機会になり、より疑問を上げやすくなったり、笑いが起こりやすくなります。
こうした工夫は、お互いを信頼することができれば、より高い成果を生み出すことができるので受益者に行うカウンセリングや研修でもとても有効です。
今回の研修では、たくさんの内容が盛り込まれています。
ケニアからPLASカウンセリングの先輩として助っ人に駆けつけてくれたトビアスは、子どもへのカウンセリングをするときに意識していることを共有してくれました。
「まず、どんなことでも子どもを褒めてあげてください。そして、応援してあげてください。
事業に参加する子どもの多くは困難な状況にいて、最初はシャイで、カウンセリングもアクティビティをあまりやりたくもないかもしれない。
でも、どんなに小さいことでも、その子ができたことを褒めて、応援し続ける。
そうすると、本当に驚くような変化を見せてくれます。」
これまでの調査を通して、「自己効力感」(自分にはやり遂げる力があると信じる力)が高い保護者、子どもは様々な問題にぶつかったときに、自分の夢を大切にしながら軌道修正していく力があるので、子どもの留年回数が少ないということが分かっています。
今回の研修でも、自己効力感の重要性について理解をしてもらうために、自己効力感が低い小学校6年生の「チラボくん」というペルソナをみんなで作って、ロールプレイング形式でカウンセリングを行いました。
架空のカウンセリング相手のチラボくん
カウンセラーのハリエットが振り返りで、このように話してくれました。
「カウンセラーとして話して、私はチラボに自分で挑戦する力を身につけて欲しいと思った。
お金が欲しいとか、学校のためのノートやペンが欲しいとか、GIBEHに何かをもらうのを待つのではなくて、自分でも何かできることを知って、自分で動いて、その力で前進して、夢を得てほしい。そう思った。
なぜなら彼はできるから!!」
まさにPLASが理想としている、応援ベースだけれども選択の強要はせず、つねに自分で選べる余地を残すという、カウンセリングのあり方を理解してくれていました。
100マス計算はウガンダにはないので、教えるために画面共有しながら練習
PLASは現地それぞれのパートナー団体と提携して事業を実施をしています。
PLASが「実現したいこと」や「できること」、パートナー団体が「実現したいこと」や「できること」をそれぞれを常にすり合わせながらの事業実施なので大変なこともあります。
しかしお互いの団体のミッションビジョンの親和性や、ふとしたアクティビティや意図せぬチームビルディングを通して、根っこに分かり合える部分があると認知しあった時に、事業へのモチベーションや協働への希望が確かに湧いてくるなと実感した研修となりました。
研修が終了し、晴れ晴れとしたみんなの笑顔
ここまで読んでいただきありがとうございます。
継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをお申し込みいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。