PLASのFLOWER事業では、子どもと保護者の未来をつくるためのカウンセリングと、農業と植林支援による生計向上を行なっています。
この事業では、孤児や脆弱な環境にいる子どもとその家族を対象にしています。
事業に参加するサミュエル君は18歳の男の子です。
お母さんを亡くし、お父さんと兄弟がいます。
左:PLASケニア事務所のトビアス、右:サミュエル君
サミュエル君は、小学校にいるときはエンジニアの夢があり、中学校に進みたい気持ちでいっぱいでした。
また、その後は看護師になりたいという目標も持っていました。
その夢を叶えるため、中学校に進学するための初等教育の修了試験も受けましたが、成績が振るわなかったこと、また、家計が進学資金を払う余裕が無かったことから、進学に対するモチベーションが下がってしまいました。
また、「家族の長子だから家計を助けるべきだ」という周囲からのピアプレッシャーに負けてしまい、学校をやめて漁師の手伝いをして日銭を稼ぐようになりました。
左からサミュエル君、お父さん、お兄さん
そんなサミュエル君に対し、カウンセラーが何度も話し合いを行い、学校に戻ることを提案しました。
しかしサミュエル君は家族が学校に行くための養育費を払ってくれないことを恐れて、漁師の手伝いを続けました。なぜなら少ないながらもお金をもらうことができるからです。
なかなか学校に戻れないサミュエル君のために、カウンセラーは本人と家族との話し合いを重ね、地元の技術学校に通うことを提案しました。技術学校は、中学校よりも学費が安く、家族への負担が少ないからです。
サミュエル君と家族はこの提案に賛成し、漁師をやめ、再び学校に通い始めることができました。
技術学校では溶接の資格取得コースに入学し、新たな道を歩み始めています。
技術学校に入学したサミュエル君は、
「夢のひとつであった看護師というキャリアではないけど、それでも僕は自分と家族の将来について変化を起こせると思っているし、今は未来に対して楽観的だよ。」
「大変な時期もあったけども、家族のために鋼鉄のドアやとても良い窓枠を作ることができるだろう。」
と話してくれました。
サミュエル君は中学校や高校には通うことができませんでしたが、新しい可能性を開いてくれたカウンセラーに感謝しています。
事業の支援を受けながらサミュエル君の家族が育てている畑
これからも子どもたちが前向きに将来を考えることができるように、引き続きサポートしていきます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをお申し込みいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。