世代を超えて連鎖する貧困からの脱却を目指し、PLASが新たに立ち上げたSMILE事業ではHIVの治療環境を良くするためのアドヒアランス向上研修を行っています。
「アドヒアランス(adherence)」とは、「患者が治療方針の決定に賛同し積極的に治療を受ける」ことを意味します。SMILE事業に参加するのは、HIV/エイズとともに生きる人々、陽性者の方々。HIVの治療に向きあう環境を改善して、本人だけでなく家族も一緒に主体的に治療にのぞみ、未来に希望を抱けるようにして欲しいと願っています。
今回は、2021年8月31日に行われたアドヒアランス向上研修の様子をお届けします。
研修を行ったのはマクルビタ、現地協力団体のHE-RECODSオフィスからバイクで30-40分離れた場所にあります。未舗装の道路がほとんどのため顔も頭も土埃だらけになりながら向かいます。
9時から10名を対象とした研修を始める予定でしたが、結果的には10時半から9名で研修が始まりました。まずはHE-RECODSスタッフから今日の研修の目的である、アドヒアランスとは何か、ヘルスワーカーが薬や栄養について話してくれることを伝えます。
初めは緊張のためか堅い表情をしていた参加者達でしたが、出張中のPLASスタッフ藤原がガンダ語で挨拶すると、参加者たちの顔に笑みが浮かび和やかな雰囲気になりました。
今回研修を担当してくれるヘルスワーカーのサラは、元気いっぱいの表情豊かな女性で、ラミネートされたアドヒアランス用のスケッチブックを用いながら、ボディランゲージをつかったり、1人芝居してみたり、歌うように節を付けて話したり、受益者が飽きないように工夫して進めていきます。
サラからたくさんのアドバイスがありました。
特に大人の参加者には、子どもには薬を渡すだけではなく大人が直接飲ませるのが良いアドヒアランスだ(子どもは飲まなかったりこっそり薬を捨てたりするため)、という説明を一番真剣に聞いていたのが印象的でした。
研修後に参加者に感想を聞くと、「ブルンジ(良かった)」という声がたくさん聞こえてきました。他にも